乳幼児の口の中に常在しているカビの一種のカンジダ菌が異常繁殖して、口腔内に白いミルクかすのような塊をつくることがあります。こすってもなかなか取れません。これが鵞口瘡で、真菌感染症の一種です。
免疫力が未成熟な時期である生後2~3ヶ月の乳児に発症することが多い病気です。
新生児・乳児のおよそ2~5%で発生します。1歳以上になると、ほぼ見られなくなります。
舌の上やほおの内側、唇の内側、上あご、歯肉などに、白いミルクかすのようなボツボツした斑点が現れます。それが広がり、舌一面がびっしりと白くなることもあります。
無症状のことが多い病気ですが、時に食欲が落ちたり、口の痛みが出ることがあります。
乳幼児の口の痛みはなかなか判りにくいのですが、機嫌の悪さや、哺乳量の減少が一つのサインになることもあります。
ミルクかすの場合は湿らせたガーゼで払拭すれば落ちますが、鵞口瘡であれば拭いても取れません。無理に取ると出血します。
口腔内のカンジダを飲み込み、便中に出ることで、カンジダによるオムツかぶれを合併することもあります。
鵞口瘡は通常は長期化することはありませんが、慢性あるいは反復性に出てくる場合でも成長とともに免疫抵抗力が上がれば発症しにくくなります。
長期化している乳児の一部には免疫抵抗力が低下している場合もあります。
不快感を感じているためか、もし、ぐずりが続くようであれば、カンジダの治療薬を使用して様子を見ます。
カンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)というカビ(真菌類)が口の中に、異常繁殖することにより発症します。
口腔内カンジダ症とも呼ばれます。
どの乳幼児の口の中にも鵞口瘡の原因菌であるカンジダ菌は生息しているのですが、通常は増えすぎることはなく、他の菌とバランスを保っています。
しかし、新生児や乳児は、免疫機能が未発達なため、他の菌とのバランスが崩れやすく、カンジダ菌が口の中で異常に繁殖してしまうことが有ります。舌や口の中の粘膜に異常繁殖すると、白いミルクかすのような塊を作ります。
これが鵞口瘡です。
カンジダ菌の感染及び異常繁殖の原因としては次のようなものが挙げられます。
➀ 消毒が不十分な、乳首、人口乳首、おしゃぶり、おもちゃ
② 母親にカンジダ膣炎がある(妊婦の約20%は産道にカンジダ菌をもっている)
③ 低出生体重児(出生体重2500g未満)、早産児(在胎22週~37週未満)、乳児
④ 体力低下、栄養状態が悪い
⑤ HIVの感染による免疫不全
⑥ 重度の感染症、外傷
⑦ 抗がん剤治療中、長期に抗菌薬を使用
⑧ ステロイド薬や免疫抑制薬の内服
口の中の視診と、こすっても取れにくいということで診断します。
通常は特別な検査は行いません。
採取した白斑に水酸化カリウム液をたらし、顕微鏡でカンジダを観察・確認する方法もあります。
ほとんどの場合、痛みやかゆみも無く自然に治ってしまうことが多いため、積極的な治療をしないこともよくあります。通常、何の治療をしなくても、1~2週間くらいで良くなります。
口の中を痛がったり、不快な様子で哺乳が悪くなる場合には治療を行います。
カンジダに効果のある薬を内服するか、塗り薬を使用する治療が行われます。
内服薬としてファンギゾンシロップを1回0.5ml~1ml、1日2-4回食後内服します。
ファンギゾンシロップは内服では消化管からほとんど吸収されません。
通常は数日で治ります。
塗り薬としては、口腔用フロリード・ゲルが使用されます。
1回1gを1日4回口腔内塗布します。ゲルなので誤嚥などに注意が必要で、なるべく薄く塗るようにします。
鵞口瘡の原因が免疫低下を起こす病気である場合は、免疫低下に対して、治療することもあります。
以前はピオクタニン液を1日1~2回綿棒で患部を塗る治療も行われましたが、遺伝毒性および発癌性のリスクから、令3年12月に厚労省から通知があり、原則使用禁止となっています。
口の中で増えたカビがうんちと一緒に排泄されて、カンジダが原因のオムツかぶれを起こすこともあります。乳児寄生菌性紅斑といい、抗真菌剤の塗り薬が有効です。
口の中を清潔に保つために、乳児や子供が口にするものを清潔にすることが大事です。
➀ 母乳であれば乳首を清潔に保つ。授乳パッドをこまめに交換。
② 人口乳首やおしゃぶりを消毒する。
③ お気に入りのおもちゃを清潔にする。
④ 哺乳瓶やスプーン、食器などは熱湯消毒などの消毒をする。
⑤ 口を拭くタオルはこまめに洗濯する。
⑥ 乳幼児は手足を口に持っていくので、手足を清潔にする。